読もうかどうか迷っている方ぜひお読みください。お勧めします。
おこがましくて恐縮ですが、少しアドバイスをさせていただきます。
・登場人物の簡単な説明やロシアの当時の地図などの資料をそろえておくと理解しやすく迷子になりにくいです
・長編なので我慢も必要です(トルストイ節(戦争論)が少しくどいところなど)
・現代の読者には理解しにくいことがあります(戦争の陣形や地形・スケール感、貴族社会の把握など)
・その代わり、忘れられない美しい場面もあります(なにがとはあえて言いません)
・ドストエフスキーの長編『カラマーゾフの兄弟』などと比べると読みやすかったです。
・というのも、宗教色がドストエフスキーほどには強く出ていなかったです。日本人にはなかなか理解が届かないところがありますから。
読んだきっかけは、アマゾンのキンドル端末を購入して無料で読めるアンリミテッドで古典文学を渉猟したことです。
買った最初のころは特に決めず古典文学の目についたものから初めて、そのうちフランス文学が面白くなってメインに楽しむようになっていきました。
文豪と呼ばれる作家からそこまで有名ではないひとの作品まで。実際に本を買っていたら数万円単位になっていたでしょう。それが、まあただで楽しむことができて満足です。
フランス文学の名作と呼ばれるものをおおむねを読んでからは、長編小説にも欲が出てきました。
いつかは読みたいと思いながらもついつい億劫になって手をこまぬいていた『戦争と平和』。「世界文学の最高峰」とか「登場人物が数百人」などと巷間いわれています。今まで読まなかったわけはそのあたり。
そして時間がかかる。次にお金、文庫であっても全巻そろえると数千円の高額になる。場所も。繰り返しは読まないだろうし。もし途中で挫折すると癪だし!など。
でも、この年齢になると残りの人生をつい意識してきます。若いころは未来が永遠に続く気がしていたのに。それで思い切って最初文庫を買って読み始めました。全巻読んで並べたら壮観だし、読んだ感満点、ちらちら眺めてニヤリとほくそえむ……<読んだで。どや!>なんて。
はっきり言って、文庫の不親切さには閉口しました!登場人物の簡単な説明や地図などもありません。今まで版を重ねていながら何とかならなかったのか、不思議です。
まず、同一人物が場面によって異なる呼び方をされるのに戸惑いました。ロシア人には本名以外に愛称があるし、人物相互にファーストネームで呼んだり、ミドルネームで出てきたり、貴族階級の侯爵や男爵、軍人の将軍や大佐など肩書で登場したり。慣れないうちは、あれ、これってだれのこと?混乱してきました。
そこで、途中からキンドルに替えました。正解でした。リンクをタッチすれば脚注や、小説内の関連文脈が複数表示されるので、ああそうか!と納得。
それでもやはり、人物の相関図はキンドルにもないし、地図はあっても読みにくかったりしますので、ネットなどから印刷したものを手元に置いたほうが良いです。
みなさまに私の読書体験がご参考になれば幸いです。